sunnuntai, 4. lokakuu 2026

私はただ、夫が歯医者に行く日を待っている

夫は毎日、ちゃんと歯を磨いている。洗面所から聞こえる音で分かるし、本人も「磨いてるよ」と言う。

異変に気づいたのは、いつものように向かい合って話していたときだった。笑った拍子に、前歯の近くに黒いものが見えた。食べかすかと思って「何かついてるよ」と言いかけたけれど、どうも様子が違う。汚れではなく、歯そのものが黒かった。

それから数週間、黒い部分は少しずつ広がっていった。話しているとつい目がそこにいってしまう。よく観察してみると、黒くなっているところが欠けていた。角がほんの少し、なくなっている。

夫はというと、舌で歯のあたりをしきりに触っている。テレビを見ながら、ふとした沈黙のときに、口の中を気にする顔をする。本人も気づいているのは間違いない。虫歯だと思う。それなのに、歯医者に行く気配はまったくない。「予約したの?」と聞いてみたい気持ちはあるけれど、大人の判断に口を出しすぎるのも違う気がして、今のところ黙っている。

私にできるのは、見守ることだけ。いや、正直に言えば、傍観だ。夫はどの段階で歯医者に行くのだろう。歯が痛くて眠れなくなったとき。欠けた部分がもっと大きくなったとき。それとも、私が我慢できずに何か言ってしまうとき。

今日も夫は笑っている。黒いところが、また少し目に入る。

sunnuntai, 4. lokakuu 2026

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